俺もあいつも口が達者ではないから、言いたいことが言えず、不必要なことばかり言ってしまう。特にあいつが。
顔を合わせる度に、結局は喧嘩になってしまう。これでも、付き合っていると言えるのだろうか。
まぁ、別れる気はないが。けれど、俺はそうでも、あいつはどう思ってるのか。
もう、俺みたいなガキはうんざりしてしまっただろうか。本当は、喧嘩をした後、いつも不安になる。
今度こそ、終わりになるんだろうか…?
角を曲がると、俺の部屋の前に人の気配を感じた。…ああ。ティエリアだ。
見なくても、わかる。それほどまでに俺はあいつの気配に慣れている。
あいつは、何も言わない。俺は、何も言えない。
口を開くと、またあいつの神経を逆なでしてしまいそうで…、恐かった。
そのまま部屋に入る。


「…ティエリア…」


ごめん