手の甲に口づけられたかと思うとそのまま彼は人差し指を口に含んだ。

指の付け根から先までべろりといやらしく舐めあげると、今度は指の腹を甘く噛む。

人差し指一本だけの感触なのにドキドキして身体中がそれに反応する。

衣服を全く身に纏っていないためそれが一目でわかってしまう。

指を口に含んだまま、彼は喉の奥で笑った。

「…足りない?」

唾液でべっとりと濡れた指が空気に触れてひやりとする。

その指をもう一度くわえたその表情がなんとも妖艶で、つい見とれてしまう。

こいつはこんなにも綺麗だったか。

「な、気づいてるか?お前の後ろ、すごいびくついてる」

「…言う、な」

「欲しいんだろ?もうこんなになってる」

うるさい、誰の所為だと。

そんな文句は、本能の前に倒れた。

こくりと頷くと、その綺麗な口の端が持ち上がる。

言われることはわかっていた。

「なら、この指入れてみろよ…自分で」

それ以外の快楽を追う術はないのだ。