胎児のように丸くなって眠るのは刹那の癖だ。
彼が一人でベットを使う時はたいていその体勢になっている。
一糸まとわぬ体はほぼ全身がシーツに覆われて、首から上しか出ていない。…あぁ、もう一カ所。足先が。
ベットの横にひざまずき、自分のそれよりもだいぶサイズが小さい足を両手で包んだ。顔を伺うと、まだ寝ている。
とくに何も考えずに甲にくちづけた。あえて言うなら「そういえば、ここはあんまり触ってなかったな」だろうか。
舌を伸ばして触れた肌の滑らかさにうっとりと目を細めた。指の間を吸い、一本ずつ口に含んで濡らした桜色の爪は光沢を放ち綺麗だ。
「グ、ラハム…?」
「おはよう、刹那」
ぼーっとした目は彼が未だに覚醒しきっていないことを現していた。可愛い。
堪らなくなって、もう一度甲にキスを落とした。
「グラハム?!」
何が起きているか理解し、驚きで完全に目が覚めた刹那が足を引こうとしたが、手に力を込めて留めた。
口を開いて細い足首に柔らかく歯を立てる。
そのまま目線を上げると上体を起こした刹那の真っ赤な顔が見れた。
それが嬉しくて。
再び小さな指を口腔に納めた。
「なっ!グラハム!?」
付け根から先までを何度も嘗め上げ、吸引する。
「ちょっ、ん…く、」
あまがみすると歯に爪が当たって涼やかな音を聞いた。
「や、め…ッ」
先程の倍以上の時間をかけて全ての指に同じことを繰り返してからやっと口を離すと刹那の足先は濡れそぼっていた。
「…グ、ラハム、」
口元を拭いつつ、少し持ち上げれば液体は甲、足首、ふくらはぎ、膝裏、太腿をつたってシーツに染みを作った。
その感覚にひくり、と刹那が身を震わす。
いつの間にか抵抗することを止めた彼の顔には隠しきれない色気が浮かんでいた。
…嬉しいな…
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