冷たい床に引き倒された。肩甲骨の辺りを強く打ち付けて、息が詰まる。

その隙にグラハムがのしかかってきた。彼は服を着たままで、シャワーに濡れたシャツが肌に張り付いている。

「君は、全部、私のものだ。…壱から教え込んだ方が良さそうだな」

俺はただ、彼を怯えて見上げるしかできなかった。

…怖い。

ジッパーを下ろす音がして。無理矢理。

「う、ああぁッ!」

目が眩む程、痛い。痛い痛い痛い痛い!

「やめてっ、いたい、ぃたいッ!!」

彼の腕をつかんで必死に懇願しても、グラハムは俺を見下ろすだけだった。

あまりの苦痛に出て来た涙のせいだろうか、彼はうっすらと笑って見えた。

「…痛いだけじゃないだろう?」

前を握られて、自分が立ち上がっていることを教えられる。

そんな、馬鹿な。こんなに苦しいのに

けれど

頭とは裏腹に長い時間をかけて仕込まれた体はグラハムの行いにたやすく反応している。

「ひぁっ、あ、ぁ」

痛い。苦しい。けど、

「…響くな」

一瞬、何を言われたか分からなかった。

彼に腰を使われた時

「あ、ぁっ、…!」

その意味が分かった。

上げた声が反響している。自分で聞いてもそれは甘く、まるで、誘っているようで。

かぁっ、とさらに全身が熱くなった。

グラハムが俺を攻め立てるが、必死で声を噛み殺す。今まで俺は、こんな声を…。

「…っ、!」

「…声、出しなさい」

グラハムが俺の口元と前に触れて促すが、首を大きく横に振って嫌がった。

「言うこと聞きなさい」

それでも頑なに口を閉ざしていると

「…君がそういうつもりなら、」

ぐいっ、と俺の上体が起こされた。

そして、横たわったグラハムの上に。

「や、ぅ、あぁぁッ!」

俺の足は体重を支える、なんて機能を忘れていたから、体にグラハムが沈んでいった。

「…ほら、出た」

言われて自分の復活してしまった声に気付いた。

「ん、あっ…ぁ、」

一度戻ってしまったらもう駄目だった。グラハムが腰を揺する度に、何度も声を上げ、彼の上で果てた。