…綺麗だ。 照明を落とした部屋を雪に反射した月光が照らす。 掛け布団を跳ね退けた上で、座り込みこちらを見上げる刹那。乱れた白っぽい浴衣と上気した健康的な肌の対比。 熱に潤んだ瞳。濡れて淫らに光る唇をついさっきまで自分がふさいでいたのか、と思うと…あぁ。もう。 もっと君を乱したくなる。 「や、ぁ あ…っ!」 彼の中に自分をゆっくり進めると、刹那は一際大きな声を上げた。 背後にいる自分に見えるのは彼の細いうなじ。普段よりも朱色が強いそれに舌を這わす。 自分の手で着せた浴衣は、もう衣服としての役割を果たしていなかった。 いまだに残っている帯で辛うじて刹那の体に絡まっている状態だ。 裾を割ってすらり、と伸びる細い足を足首から内股まで撫で上げると 「…ぁ、」 彼は熱い吐息を漏らす。 この目で見なくても、君がどんな顔をしているか分かるよ。 それは、他の何よりも私を狂わせる。 そして 君もこの狂喜に堕ちる。
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