「一緒に暮らさないか?」

ここ最近ずっと考えていたことを、彼に言った。自分でも緊張しているのがよくわかる。

急に言われて、きょとんとした後、考え込んでいる刹那を見守りながら、ああ…可愛いな…と思う自分はかなり重症だ。

家に帰って、玄関で彼が出迎えてくれたらどんなに幸せだろう。

じっくりと考えた刹那の答は



「…嫌だ」



だった



「…そ、れは、どうしてだ…?」



多分、良い返事が聞けると思っていたのだが…、認識が甘かったようだ。……少し傷付いた…。

理由も聞けずに引けるものか!



「…俺は、つまらない人間だから」



「…ん?」



彼の言葉は時々難解だ。



「…一緒にいる時間が長くなれば、あんたが俺に嫌気がさすのが、それだけ早くなる。…だから嫌だ」



…。



「…可愛い…」

「なぜそうなるっ」

「意訳すれば、私に嫌われるのが嫌だ、ということだろう?」



顔を紅潮させて、ぐっと押し黙る姿を見て、ますます可愛く思う。



「大丈夫だ。ずっと一緒にいる」

「…っ。ちょっ…どこ触って…あ、っ」

「今夜は、君が飽きる程側に居てあげるよ」